StudioSweet-撮影日報

StudioSweet(磯子通信企画):映像制作業界の隅っこにいる小間使いで構成されています、現在も一部のイベント映像撮影編集に関わっています。

新しい様で新しくない婚礼ビデオ業界

以前所属していたブライダルビデオの会社が面白い事をサイトで紹介していたので、少し書いてみます。これは動画配信なのですがサーバに1ヶ月保存して暗証番号にて、その婚礼のビデオがみれる・・・と言う訳で。いわゆるSNSでのVOD、身内だけへの配信と言った事でしょう。

自宅のテレビにLANを入れている方って少ないでしょう、最近はDSなど携帯ゲーム機用に無線LANが多少普及してますが、ネットを通じてまで家庭用のテレビでよそ様の婚礼披露宴なんか見ますでしょうか?それがすなわちビジネスに繋がると考えたのでしょう、その会社は。

一般的な動画配信に比べ料金設定が高いのはサーバ代?自分たちの婚礼ビデオでも他人が来た時だけに見せる位でしょう。

でもまだまだVHSでの販売は続いている様です、DVD1枚とVHS2本で最低でも5~6万クラスの安すぎる価格はどこから出るんでしょうか、契約カメラマンにギャランティを支払い、テープ代、編集を入れるとまだ結構します。こんな料金設定ではカメアシはなしでしょう・・・その故場数を踏んでないカメラマンが多くなってくるし、臨機応変が利かないと自然と撮影の質も落ちてくる。

婚礼撮影は土日だけ稼働のサイドビジネスカメラマンが多い事・・・それが嫌でフリーランスを選び平日も婚礼を含めてPVなどに手を伸ばしたのは。

たぶんここの編集ではマスターをDVDに焼いてからVHSへコピーでしょう、そうなるとノンリニア編集の可能性も少なくない。

サイトでは年商1億を謡っていますから、契約へのギャランティも安いんだろうな。

当方はもうフリーランスで婚礼だけではなく、イベント撮影でブランクを取り戻しましたので、何の撮影でも何の撮影技術でも臨機応変が身体に染みています。

ブライダルビデオとは無縁に近くなりましたが、婚礼ビデオ業界全体に質が落ちているブライダルビデオカメラマンの増加に危惧しています。

当方は長くいた写真館のビデオ部署で臨機応変が出来る人材クラスのギャランティを頂いていました、こちらは長くいるとギャランティが上がって来ましたが。

それだけ全国の地域での婚礼撮影を出来る人材だったのでしょう、一時期は毎週末東北行脚していましたが。

長卓・円卓・その地域の進行や民舞までさえ身体に馴染んでいれば、今でもどこでも撮影に行きますが。

暫くブライダルを撮ってないと懐かしくもあり、「手間賃だけで良いので撮って見たい」誘惑に駆られますが(笑)

当地では長い婚礼ビデオのバブル期を経て氷河期で安売り合戦をしたあげくに潰し合ったあげく、会社合併などでの若手ビデオカメラマンの育成の落ち込み様に寂しくもあり、懐かしい事も沢山ありました。出来ればサイドビジネスとは無縁の婚礼ビデオカメラマンが沢山いればよろしいと思うのですが。(イベント記録では婚礼とはまた違った臨機応変さが求められますし)


余談

顔見知りが北海道で撮影プロダクションに所属してTV番組に関わっていますが、やはりカメラマン特有の腰に来る様で・・・これも職業病の一種でしょう。